長崎の鐘
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追悼の鐘が鳴る。重たくもなく軽すぎもしない鐘の音が、73年目の晴れた夏空
に吸い込まれてゆく。
昨年に続いて長崎の平和祈念式典の中継を観た。
政府の不誠実を指摘する言葉を、居心地悪そうに聞く(聞き流す)首相の表情
を見たかったわけではない。
長崎市長の思いのこもった宣言を聴くことと、旧知の人の名を聞きその後ろ姿
を見ることだった。
式典のはじめに、被爆者の人たちの合唱団が「もう二度と」という曲を歌った。
この曲は長崎在住の音楽プロデューサー・寺井一通さんの作詞作曲であること
を、テレビ中継のアナウンサーが紹介した。
タクトを振る彼の姿は列席者の頭越しに少し見えただけだったが、昨年よりさ
らに髪が白くなったような気がした。
もう20年も前だろうか。当県で何回か彼のコンサートがあった。半分〈しごと〉
で出会ったのが最初だったような気がする。
彼のテーマは当時から一貫して〈あたりまえの人々〉の哀歓と〈平和〉だった。
帰郷して、半農半音楽生活を送っていることは知っていた。
一途に音楽の道を歩き、ふるさとの歌をつくり続け、愚直に〈平和〉を願って
きた。まっすぐにブレずに生きてきて、今、この困難な時代のただなかに立つ。
今年、彼のために一つのことばを贈ろうと思う。「おなじ歌しかうたわない鳥
のようなひと」と。
友に教えてもらった最高の賛辞だ。
🍃田上市長は今年も福島に言及し、「東日本大震災の原発事故から7年が
経過した今も、放射線の影響は福島の皆さんを苦しめ続けています。長崎
は、復興に向け努力されている福島の皆さんを引き続き応援していきます」
と述べています。数日前には、東電が福島の「原発グッズ」を売り出すと
知って仰天しましたが、非難・抗議にあわてて中止しました。
見学・視察の記念にと要望する方も、作る方も、どうかしています。
そもそも、≪どうかしてる人たち≫が政治を動かしている限り、この国には
安心も安全もありません。その他の重大案件も含めて、無関心のままにそ
の人たちの≪どうかしている路線≫を受け入れている人たちが多数を占めて
いるこの国は、やはりどうかしているとしか言いようがありません。
〈あざみ〉より。